資産・債権の流動化について、法的観点を概観できる1冊です。
先日、類書*1を紹介しましたが、本書はいわゆる「流動化」に関して、第一線で活躍する実務家が解説を加える1冊です。類書に比べると、484ページの中で流動化に関連する法律を概観でき、解釈論まで踏み込む1冊になっています。
分かりやすさを意識して書かれているとは言えませんが、そもそも読者として初心者を想定していないので、我慢するしかないかと。
ただ、取ってつけたように第5章に組み込まれた、アジア諸国の流動化事情についての約100ページは余計かと思います。
ニーズがかなり限定的かつ、少ないページ数の中で、中国・香港・インドネシア・タイを取り上げており、各国の制度説明も実務に堪えるものにはなっていません。