「プロジェクトファイナンス」「シンジケートローン」「知的財産ファイナンス」の3分野を概観する一冊です。
冒頭に書いた通り、新しいファイナンス手法として注目される3分野に対して、第一線で活躍する実務家が法的観点から解説を加える内容になっています。全体が328ページなので、各分野約100ページ前後で解説されているのですが、この分量がとても中途半端です。
想定される読者には、各ファイナンス手法に対して一定の理解があることを前提として書かれていますが、その様な読者に100ページで解説できる内容はかなり限定的です。
また、それぞれのファイナンス手法に密接な関連性があるわけではないので、3分野がまとまっていることにメリットを感じる読者は少ないのではないかと思います。
法律の観点に限定されない類書を参照した方が、理解は進むというのが結論です*1。