冨山本2冊目を読みました。
本書は、4章からなります。第1章は「日本企業を蝕んできた成功という名の呪い」と題して、日本企業が新陳代謝できず、昔の成功モデルを引きずっていると指摘します。具体例としては、ソニーが槍玉にあげられています。
第2章は「今こそ呪いを解く最後のチャンス!」と題して、自社の強みを活かせる事業に投資を集中するよう説いています。
第3章は「グローバル社員の年俸は市場が決める」と題して、ビジネスエリート・プロ経営者重要性を説き、既存の人事体系・ガバナンス体制を批判します。
第4章は「グローバルエリートの育成を急げ」と題して、あるべき人事体系について語っています。
全体としては、『なぜローカル経済から日本は甦るのか』*1を下敷きにしつつ、あるべき人事・組織体系について語っている本です。
雑に要約すれば、「欧米と同じ人事・組織制度を取り入れれば、日本企業も復活できるよ」ということでしょう。
そして、アベノミクスで景気のいい今こそ、荒療治に取り組むべき最後のチャンスなんだということなんでしょう。
会社に体力があるうちに組織再編をした方が、会社も従業員もお互いハッピーですしね。
現に、パナソニックは売上高10兆円を目指して、本書に書いてあるようなことに取り組み、結果を出しています。
読みやすく示唆的な本でした。オススメです。
(それにしても、最近の冨山氏の出版スピードの速さには驚きますね。ビジネス界での人気が窺い知れます。IGPIも、湘南モノレールの再建に取り組んでいますし、時代の寵児といった感じです。)