ゆとり社会人の読書ノート

法律を中心にいろいろな本を読みます

山口厚『刑法総論(第2版)』(有斐閣、2007年)、同『刑法各論(第2版)』(有斐閣、2010年)

結果無価値論のバイブルのご紹介です。

刑法総論 第2版

刑法総論 第2版

刑法各論 第2版

刑法各論 第2版

山口刑法学は、現代刑法学の中でも最も理論水準の高い体系とされており、結果無価値論の到達点となっています。

(特に、行為無価値一元論はメッタ切りです)

本書でもその切れ味は遺憾なく発揮されており、凡人を寄せ付けません(笑)

私もその例外ではないので、本書をレビューする立場にはないのですが←

あえて言うのであれば、初心者が本書で入門することは「可能」だがやめておいた方がいいです。

たしかに、本書は平易な言葉で書かれているので、初心者でも読み進められてしまう部分も多いです。

しかし、判例の知識や判例・通説の知識を前提として、それを山口刑法学の体系に組み立てていく本である以上、初心者にはオススメできません。

頭のいい人や読書経験豊富な人の中にはこのような本を好んで読む人もいるでしょうが、私には無理でした。。。

ただ、体系上もレイアウト上もかなり配慮が行き届いているので、中級者以上がこの本を使う場合には、威力を発揮すると思います。

(その場合、改訂後の判例の状況について、『新判例から見た刑法(第3版)』*1で内容を補充する必要があります。)

使い方次第で毒にも薬にもなる「劇薬」として、本書をオススメしておきます。

*1:

新判例から見た刑法 第3版 (法学教室ライブラリィ)

新判例から見た刑法 第3版 (法学教室ライブラリィ)