あまり読まない小説の中でも好きな作品の紹介です。
本書は、日本人の戦争孤児である陸一心が、日本人と中国人の狭間で揺れ動く様を描いた長編小説です。こう書くと陳腐な印象を与えてしまうかもしれませんが、本書を始めとした山崎作品の醍醐味は綿密な取材に基づいたリアルさです。
小説とはいいながらもドキュメンタリーに近い作品が多く、その緊迫感・切迫感には圧倒されます。
ドキュメンタリーに近いとはいえ小説なので、その再構成の過程で著者の主観が入ることはあり、それが問題になった例もあります(『運命の人』)。
政治的にかなり突っ込んだ内容を扱うため、賛否両論ある作家ではありますが、個人的にはオススメできます。
最終部で明らかとなる「大地の子」の意味に期待しながら4巻を読破してみてください!
以下は投げ銭用です。
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