刑法を「考える」ための1冊です。
本書は、法学教室で人気だった同名の連載を単行本化したものです。書籍化にあたっては3章が加筆され、より体系的になりました。刑法についての一通りの知識を前提に、学説・判例の最先端の議論まで導いたり、躓きのもとを分かりやすく解説したりと、かゆいところに手が届く論点解説書になっています。
私は刑法が苦手なので、「ふーん、そういう議論があるんだー」程度の感想でしたが、基礎知識を身につけて応用的な問題に苦しんでいる人にとっては、導きの書となると感じました。
イメージとしては、宍戸常寿『憲法 解釈論の応用と展開』*1に近いです。良い意味で突き放される本です。
司法試験受験生は、分かりにくい部分をつまみ食いするくらいにとどめておくのがいいのではないでしょうか。
学部生で調べ物をしたい人や趣味として刑法を学びたい人には全力でオススメできます。