総則、債権各論に引き続き、内田民法の紹介シリーズ第3弾です。
内田民法シリーズとしての特徴(コンパクトさと情報量の多さ)に加えて、本書は債権総論と担保物権を組み合わせているところに特徴があります。
パンデクテン体系からすれば異質な両分野ですが、人的担保と物的担保という共通点を持っており、本書以前にもこの二分野をまとめて説明する試みはありました*1。しかし、本格的にこのコンビネーションを普及させたのは、本書の功績でしょう。
内田民法シリーズとしての特徴も、遺憾なく発揮されています。債権総論・担保物権という民法でも難解な分野を合わせながらこの分量にこれだけの情報量を詰め込んでくる技量には脱帽です。
ちなみに、内田先生の最初の単著*2で扱われていた短期賃貸借についても、類書にないほどの詳しい説明がなされています(笑)
出版年が若干古いのがマイナスポイントですが、法制審議会も一段落したので、近いうちに改訂があるでしょう。
もし買うのであれば、改訂を待ってからをオススメします。