ゆとり社会人の読書ノート

法律を中心にいろいろな本を読みます

宮沢文彦『「区分所有オフィス」投資による最強の資産防衛』(幻冬舎、2016年)

近年「区分所有オフィス」で業績を急激に伸ばしているボルテックスの事業紹介本です。

ボルテックスは、都心の中規模ビルを購入して共用部のリニューアルを施した後、実質利回り2.5%程度で区分オフィスとして再販しています。

顧客は、相続税の評価減や本業以外の安定収入を見込んで購入しています。

業績は好調で、2018年3月期の連結売上高は566億円、経常利益69億円(経常利益率12.2%)、純資産221億円、総資産919億円(自己資本比率24.0%)となっています。

区分所有オフィスのメリットとして同社が挙げるメリットは、ペンシルビルよりもグレードの高いビルを区分で持った方が資産性・流動性が高いというものです。

確かに一理あるとは思いますが、長期保有を考えた時に、オフィスビルの賃料のボラティリティの高さは不安要素です。再販によって利回りが低下しているので、損益分岐点が上がっている中、賃料が最も高い今の時期に契約した賃料を不況時にも維持できるとは思いません。賃料が半分になることも考えられる上に金利が上昇すると、実入りの収入が激減するどころかマイナスになることも考えられます。

また、区分オフィスは流動性が高い点を強調していますが、都会にペンシルビルが乱立しているのは、日本における土地信仰が強いことの表れなので、区分所有の流動性については疑問です。

購入して得をするのは、相続性対策で購入した顧客だけなのかなと推測します。

詳細については、下記ページもご参照ください。

style.nikkei.com

ボルテックス関連では、下記2冊もご参照ください。

不動産投資バイブル

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100年企業戦略: 「持たざる」から「持つ」経営へ

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