司馬遼太郎の代表作を読みました。
本作は、伊予松山出身の秋山好古・真之兄弟、正岡子規に焦点を当て、明治維新から日露戦争までの30年あまりを描いた長編小説です。2009~2011年にNHKで映像化*1されており、そちらの印象が強い方もいるかもしれません。
司馬作品は今までにも何冊か読んでいますが、近代史にあまり興味がなかったので、本作は初めて読みました。
読んでみての感想は、明治維新から日露戦争までの期間を描いた本小説を「坂の上の雲」と名付けた司馬遼太郎の慧眼に感服しました。
「坂の上の雲」とは坂の上の天に輝く雲を目指して一心に歩むが如き当時の時代的昂揚感を表したもので、まさにこの時代をあらわすのに最適の言葉です。私には、日露戦争までに形成された戦前日本が、その後消滅へと向かっていくところまで暗示されているように思えました。明治維新から日露戦争までは36年、日露戦争から36年後は1940年とほぼ戦前の終焉となっています。
巷では、リーダー論の教科書として経営者に人気みたいですが、そのような要素を本著に求めるのはお門違いかと思います。
おそらく、サラリーマン経営者が読んでいるのではないかと思います。
以下は投げ銭用です。
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