民法改正の中心的メンバーであり著名な教科書でも知られる、内田貴東大名誉教授の助手論文をまとめた論文集です。
本書で扱われているテーマは、「抵当権と賃借権」の関係をどう捉えるかです。具体的には、民法旧395条に規定されていた、短期賃借制度の問題を取り上げています*1。考察にあたっては、①立法沿革、②明治期から昭和期までの裁判例、③比較法対象としてドイツ・イギリスが検討されています。
民法学界における本書の評価はよくわかりませんが、短期賃貸借制度は強く批判されていた(という教科書の記述をよく見るし、実際、現在は改正されている)ので、それなりにインパクトのある研究だったのだと思われます。
本書のかなりの部分は、各国の判例を検討する作業にあてられているので、改正にあたっても基本文献になったのでしょう。
もっと学説っぽい論文は、『契約の時代』*2、『契約の再生』*3や『制度的契約論』*4なんでしょうね。今度はそっちにトライしてみたいと思います。
以下は投げ銭用です。
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