ファーストリテイリング創業者の柳井氏の自伝です。
本書は、売上2兆1,300億円を誇るファーストリテイリング(ユニクロ)創業者の柳井氏の自伝になります。ユニクロの強さと言えば、やはりSPAとして商品企画から製造、小売りまでを自社で取り扱っていることです。
市場のニーズを捉えた的確な商品供給で、アパレル業界では異例の急成長を遂げています。
中でも、1998年のフリースブームや2003年から発売し始めたヒートテックブームなど、日本人の衣服の概念を覆すような商品によって市場を席巻してきました。
近年では、有明に自動化された物流倉庫を開発し、欠けていた物流のピースも埋めようとしています。
他方、経営者に注目すると、本書において柳井氏に特徴的なのは、合理的であることだと思います。
管理部門の強化にいち早く着手するとともに、ABC革命と称して、売上1,000億円に耐えうる体制を構築したりと、仕組みづくり・合理化がうまい印象です。他人からの評価と自己評価があまり変わらず、自分を客観視できているというコメントもあることから、俯瞰して物事を見るのにたけているのではないかと思います。
世界にはZARAをはじめとするファストファッションのガリバーが君臨する中、今後の柳井氏の経営に注目していきたいと思います。