民法入門書として絶大な人気を誇った名著のご紹介です。
本書は、民法学の泰斗、我妻栄が記した民法の入門書です。歴史は古く、㈱一粒社から1954年に第1版第1刷が出版されて以降、司法試験受験者を中心に、「ダットサン民法」の愛称で読み継がれてきた名著になります。
我妻栄の民法基本書は、何シリーズかありますが、本書が一番有名なシリーズです*1。
本書の特徴は、簡潔に内容がまとまっている点につきます。条文順に解説されているので、頭の整理に有用です*2。逆に言うと、本書で内容を理解するのは賢明ではありません。
読んでみると、たしかに簡潔に書いてはあるのですが、読みにくさはあまり感じません。むしろ、民法が前提としている知識や枠組みをきちんと解説してあり、とても分かりやすいです。
基本書が数多く出版されている現在においては、好き嫌いの分かれる本ですが、私は好きなシリーズです。