ゆとり学部生の読書ノート

公法を中心に、気になった本について書きます。

神取道宏『ミクロ経済学の力』(日本評論社、2014年)

ミクロ経済学の決定版のご紹介です。

ミクロ経済学の力

ミクロ経済学の力

2014年に出版されて以来、ミクロ経済学のスタンダードとしての地位を確立した名著です。

本書の特徴は、①難しいことを、②分かりやすく解説している点です。



まず、①内容については、大学院初級レベルまでの内容が扱われています。

私が今まで読んだミクロ経済学の教科書では見かけなかった議論が散見されます。

(もちろん、経済学部でまじめにミクロ経済学をやっている人にとっては当たり前の内容なのかもしれませんが……)

数学による証明も充実しています。



次に、②形式については、経済学上のモデルと現実世界とのデータをきちんとリンクさせていることが特徴です。

費用曲線を説明するために、わざわざ東北電力のデータを引用するなど、その徹底ぶりは圧巻(?)です。

著者によれば、物理学の教科書に放物線のストロボ写真があるように、経済学でも、理論と現実の対応をきちんと示したいとのことです。

門外漢の私にはピンときませんが、ミクロ経済学は現実世界と乖離しているという批判はかなり根強いのでしょう。



結論を言うと、「ミクロ経済学を勉強するなら、とりあえずこの本を読んどけ!」といった感じです。

おそらく、ほとんどの人はこの本に適合すると思います。そうでない人も、この本のどこが気に入らないかを確認するために、ある種の「リトマス試験紙」として読んでみることをオススメします!