ゆとり社会人の読書ノート&エクセルVBA

素人が公法を中心に幅広く読書をします&エクセルVBA奮闘記です。

ジョルジョ・アガンベン(高桑和巳訳)『ホモ・サケル―主権権力と剝き出しの生』(以文社、2003年)

いま最も注目されている思想家・アガンベンの主著のご紹介です。

本書は、近年注目を集めているイタリアの思想家、ジョルジョ・アガンベンの主著です。

ホモ・サケル』は、ホモ・サケルシリーズの第1巻であり、第2巻第1部『例外状態』、第2部『<王国と><栄光>』、第3巻『アウシュビッツの残りのもの』と続いていきます。

本書で主題となっているのは、フーコーが提唱した「生政治」とカール・シュミットが提唱した「例外状態」の交錯です。すなわち、主権権力(=法秩序の定立者であるとともに例外状態を宣言できる権力)は、ホモ・サケル(=殺害可能かつ犠牲化不可能な生)を作り出すことをその本質としているという主張です。

生政治と例外状態の相似こそが、アガンベンの主張であり、アウシュビッツの回教徒やテロとの戦争といった現代の各所で見られる権力の形です。

本書はかなりの前提知識を要求するので、正直なところ自分でもまだ消化しきれていません。

もしこの本を読むのであれば、上村教授による解題から読み始めることをオススメします。

一筋縄ではいかない本です。今後の勉強に期待して、今は一旦ペンディングにしておきます。