ゆとり社会人の読書ノート

法律を中心にいろいろな本を読みます

樋口陽一『憲法(第3版)』(創文社、2007年)

司法試験には役立たない基本書のご紹介です。

憲法

憲法

70年代の主権論争をリードし、その後も学会に大きな影響を与えた樋口憲法学

芦部信喜佐藤幸治に代表されるアメリカ審査基準論とは一線を画し、フランス・ドイツを中心とした大陸憲法学を背景に、憲法に対する骨太な理解を促します。

長谷部恭男*1石川健治・蟻川恒正・毛利透といった、現在、一線で活躍する憲法学者にも、師として多大な影響を与えており、現代憲法学の理解には、樋口憲法学の理解が欠かせません。

本書は、そんな樋口憲法学のエッセンスを抽出した基本書です。

本書を読めば、芦部憲法学とは違う、憲法学の新たな側面に気づくことでしょう。

この本を足掛かりに、『国法学―人権原論(補訂版)』(有斐閣、2007年)*2、『近代立憲主義と現代国家』(勁草書房、1973年)*3や『比較憲法(全訂第3版)』(青林書院、1992年)*4へとステップアップしていけば、憲法学が前提とする議論の枠組みは一通り学ぶことができるでしょう。

時事的問題、審査基準論などに左右されない、憲法の本質的理解を求めるあなたにオススメです。

*1:直接の弟子ではありませんが。

*2:

国法学 補訂版―人権原論 (法律学大系)

国法学 補訂版―人権原論 (法律学大系)

*3:

近代立憲主義と現代国家

近代立憲主義と現代国家

*4:[asin:4417010757:detail]