ゆとり学部生の読書ノート

公法を中心に、気になった本について書きます。

谷口勢津夫『税法基本講義(第4版)』(弘文堂、2014年)

租税法の基本書のご紹介です。

税法基本講義 第4版

税法基本講義 第4版

本書の魅力は2点あります。1つは、とても読みやすいことです。

租税法の基本書というと、金子租税法*1が圧倒的なスタンダードとして君臨していますが、1100ページを超える大著でありながら税法の全範囲をコンパクトにまとめているため、通読はおろか辞書的な読みすら困難という代物です。他にも、水野租税法*2は、800ページを超えています。

これに対して本書は、536頁とユーザーフレンドリーなページ数に収まっています。しかも、分かりやすさがかなり意識されており、文章やレイアウトに工夫が見られます。本文には余白が取られており、重要な語はゴシックになっています。欄外番号があるのも特徴的です。

本書のもう1つの魅力は、かなり突っ込んだ記述が見られる点です。

個人的に興味を引いたのは、憲法との関係についての記述が詳しく書かれていることでした。もしかしたら、税法の実務的規定だけを詳しく勉強したいという人には、このような記述は無用なのかもしれませんが、租税「法学」の教科書としては、必要なものだと思います。このような発展的内容は、通常の基本書ならコラムという形でまとめているところを、本文に書いてしまっている点は、マイナス評価につながるかもしれません。

租税法のコンパクトな入門書としては、中里実ほか『租税法概説(第2版)』*3や増井良啓『租税法入門』*4などがありますが、個人的には、本書の方が読みやすく感じました。オススメです。

*1:

租税法<第20版> (法律学講座双書)

租税法<第20版> (法律学講座双書)

*2:

租税法 第5版

租税法 第5版

*3:

租税法概説 第2版

租税法概説 第2版

*4:

租税法入門 (法学教室ライブラリィ)

租税法入門 (法学教室ライブラリィ)