ゆとり社会人の読書ノート

法律を中心にいろいろな本を読みます

石川健治「窮極の旅」同編『学問/政治/憲法―連環と緊張』(岩波書店、2014年)

「統治のヒストーリク」で予告されていた、ショムローとヘンリヒについての論文を読みました。

学問/政治/憲法――連環と緊張

学問/政治/憲法――連環と緊張

大要

ハンガリーの法学者ショムロー・ボードグとその弟子ヴァルター・ヘンリヒによる「法の窮極」すなわち「根本規範」論への旅を描いた論文です。

彼らの議論を受けて清宮は、論文「違法の後法」を執筆します。これは、衆議院議員選挙法の改正によって、衆議院の議員定数配分を定める同法別表が定める「10年不更正」という自縄自縛が破られたことを題材にしたものです。美濃部や宮沢は、大正デモクラシーによって普通選挙が導入されることから、本件別表にもかかわらず、改正に賛成しました。

他方、清宮は、ショムローが提示する「約束法」論を導入して、本件改正の「革命性」を喝破しました。つまり、国家が一般人民を拘束する規範だけではなく、国家が国家自身を拘束する場合にも法規範性を認めるべきだと主張しました。

感想

本論文は「森の彼方から吹く風」という序章から始まります。私は、ネーミングにやられてしまいました(笑)

憲法の論文なのに、こんなオシャレなタイトルがつくなんて、石川憲法学は奥が深いですね……