シュミット入門書の紹介です。
本書は、『政治的ロマン主義』、『政治神学』、『政治的なものの概念』、『海と陸と』といったシュミットの重要著作を取り上げています。
本書のもとになったのは読書会らしく、本書にもその雰囲気が残っています。本文を引用してそれに対して解説を加えるスタイルとなっています*1。
もしかしたら、手っ取り早くシュミットの思想に触れたい場合には、本書のようなスタイルだと冗長に感じてしまうかもしれません。しかし、シュミットの著作に直に触れてみたい人にはオススメできる本です。背景事情を解説しているので、「行間」を気にすることなくシュミットに触れることができます。
さらに、巻末には、シュミットの他の著作や邦語のシュミット研究書についてまとめてあります。まさに「入門書」にふさわしい内容だと思います。
個人的には、『憲法論』の解説をして欲しかった点と、若干お値段が張る点が残念です…
著者の専門からすると、法律学からみるシュミット像というのは、過大な要求なのかもしれませんが…
以下は投げ銭用です。
*1:同じようなスタイルの著作として、 などがあります。どれも読みやすい入門書となっているのでオススメです。
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