ゆとり学部生の読書ノート

公法を中心に、気になった本について書きます。

ハウェル・ジャクソンほか(神田秀樹=草野耕一訳)『数理法務概論』(有斐閣、2014年)

ずっと読みたいと思っていた本を読むことができました。

数理法務概論 -- Analytical Methods for Lawyers

数理法務概論 -- Analytical Methods for Lawyers

  • 作者: ハウェル・ジャクソン,ルイ・キャプロー,スティーブン・シャベル,キップ・ビスクシィ,デビッド・コープ,神田秀樹,草野耕一
  • 出版社/メーカー: 有斐閣
  • 発売日: 2014/03/13
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログ (1件) を見る

本書は、ハーバードロースクールで行われている「数理法務」の授業の教科書です。
内容は、ごく簡単な経済学をどのようにして法務に生かしていくかに終始しています。

訳文がこなれているのでとても読みやすく、内容も日本向けに若干アレンジ*1されているので、具体的に理解できます。読み物としてとてもおもしろいです。

しかし、この本を読んで、何かしらのテクニックを学んだり、数学的・経済学的素養を身につけることはありません。書かれている内容も、一般的に「合理的思考」と呼ばれているものから導き出せるものです。

この本の真価は、むしろ文献案内にあるのではないかと思います。

原著での文献案内に加えて、本書では、日本語の文献案内が付されています。

この文献案内が、発展的な学習にかなり役立つと思われます。

実際、自分が過去に読んだ本も含まれており、かなり厳選されている印象です。

読み物として、文献案内としてオススメできる本でした。

柳川範之教授による書評はこちら

*1:例えば、第4章の会計で出てくる財務諸表は、原著ではアマゾンですが、本書では、楽天のものが掲載されています。